旧いバイクの映像を撮り始めたのはかれこれ8年近く前からになるけど、「被写体は旧くてレトロなバイクじゃなければ」なんてことは微塵もありません。とは言ってもYoutubeの場合はチャンネルのテーマが決まってて、そのテーマに沿った映像を出さないと節操のないことになってしまうので旧いバイクというテーマに沿って統一してるけど、撮りたいものや機会があればバンドの音楽ライブ、アイドルオーディション、ファッションショーを撮ることもあります。
そのなかでも僕が一番面白かったのがVULGARというストリートDJを撮らせてもらったとき。実はこの時いくつかのプロジェクトで失敗を連発していてメンタル的に追い込まれていて、その場で動かずにじっとしていられなかった。何とか現状を打破したいけどスパゲティーのように複雑に絡み合った問題に対して解決の糸口を全く見つけることもできない迷子状態で、失敗続きのプロジェクトとは全く関係のないストリートDJの映像に救いを求めて突っ走ったのがこれ↓
人がいなくなった土曜日の夜中の渋谷。現場の仕事を終えて車に積まれた音響機器やDJブースを降ろして家路へ急ぐ周囲の人たちとは逆方向に歩く身長188センチの大柄でモヒカン風の頭髪は初音ミクのような緑色で顔にはタトゥーが入った男性。
彼がVULGARというストリートDJで、以前に撮影現場で何度か顔を合わせたことがあり、その見た目の厳つさとインパクトが目に焼き付いてしまいInstagramで追いかけていくうちに少しずつ興味が募っていき今回撮影させてもらうことになった。見た目のインパクトが凄くて「ふつうの人」にはとても見えずなかなかこちらから連絡を取れなかった(笑)。情報を調べようにもどうもメディアに出ることを避けているようで殆ど情報が出てこない。出ているのはこちらのWeb記事くらいなんだけど、これを何度も読むたびに興味はさらに募り、とうとう自分が精神的に追い込まれたタイミングで撮らせて欲しい旨をDMを送ったところすんなりと「いいっすよ」と返事が。
何度か電話で打合せした後にストリートパーティー会場(?)で撮影して、お世話になっている方のお店のスペースを借りてインタビュー実施。見た目も若いしてっきり「音楽を目指している」のかと思っていたら「いや、おれ平日は現場で働いてるし。シンプルに週6働いて稼いで1日パーティーするみたいな。確かに周囲は音楽だけで食ってる人間もいるけど、おれはそこを目指してるわけじゃないすね。とにかくパーティーがしたいんすよ。」
とは言ってもみんなSNS上で「映える」ことにすっかり懐疑的になり、他人の評価軸で”上昇”することよりも”自分らしさ”が重要視される昨今の風潮のなか(なんだか書いていて恥ずかしくなるけど)、あからさまに「有名になりたい」、「音楽で稼ぎたい」とは言いづらいし言いたくないのだろうなと頭の片隅で思いながらインタビューしていた。
ところが撮影の後何気なくVULGAR君のInstagramを見ていたら、都内の小学校の運動会にDJブースを持ち込んでプレイしているVULGAR君の姿がストーリーズに載っていた(どんな状況なんだ笑)。そして観衆のなかに混ざって漢A.K.A.Gamiと般若の姿がありました。え?!この二人メチャクチャ有名人じゃん!VULGAR君はInstagram上でそこを強調するわけでもなく、あからさまに「有名人二人の友だち感」を出すわけでもなく、その投稿をいつでも誰でも見れるように固定するわけでもなく、ストーリーズの仕様通り24時間後にその投稿は消えていた。インタビューの時に「周囲は音楽だけで食ってる人間もいる」と言ってたけど、有名人が知り合いだとかビッグネームを出すようなことはなかったのに。
その後別の仕事で再開した時に「漢A.K.A.Gamiと般若がVULGAR君のイベントに来てるのをストーリーズでみたけど知り合いなの?!」って興奮気味に尋ねたら「あのイベント、商店街の組合が主催したやつなんすけど、組合の中にそういうのが好きな人がいるんすよ。だからその人がフルにツテを使って呼んでくれたみたいなんすよね(笑)」という答えが返ってきた。有名人のことよりも、どちらかというと「組合には色々な職人がいて自分もその一員である」ことの方を誇らしげに話していたのがいかにもVULGAR君らしい。
まあ一番のミーハーはワタシということですか( ´艸`)
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